《MUMEI》

「ぁ──降りなきゃですね」

「忘れもんねーな?」

「はいっ♪」

「‥やけに元気いーな‥」

あんだけ寝たら──疲れ取れるか。

「あれれ? 林檎君お疲れですか?」

「別に、そーでもねーよ」

ただ‥ちょっと、な。

つーかコイツ、オレがボタン開けたの気付いてんのか、気付いてねーのか‥。

気付かれたらヤバいけど‥。

「さてっ、降りましょうか♪」

「言われなくても分かってら」

「はいはい♪」

未桜は何でか上機嫌で‥オレをグイグイ引っ張ってく。

つーか、立場逆転してねーか?

‥まぁ、やじゃねーからいーけど──。

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