《MUMEI》

雅治「…それに…」
「元々は、あんたの親父の会社の借金と、母親の病院代稼ぐ為に、兄貴に身売りしたんだろ……」
 
美樹「……」
 
雅治「借金もなくなり、それなりの金を手にしたんだ…」
「目的は達成できたよな…」
 
美樹「……子供……人殺しじゃない…犯罪よ!!」
 
雅治「ピル飲まずに、わざと妊娠した、お前も悪いだろ…」
 
「証拠も無いし…ね…」
 
美樹「……」
 
雅治「どの道、お前に勝ち目は無い…おとなしく寝てろ…」
「家族の元へ帰るなら、それでもいいよ、帰りな」
 
「そうそう、妹さん、水商売辞めて実家に帰るって言うから、引越業者、頼んであげたから…」
 
美樹「……」
 
雅治「おふくろさんも、喜んでたらしいよ」
「元々、住む世界が違うんだし、金もらえたから、結果良かったんじゃね」
 
ガツン!!
 
携帯電話を投げつけられた… 
 
美樹「人でなし!!」
 
凄い形相の美樹だった
 
雅治「……」
 
美樹「うっ…痛い……」  
お腹を押さえて、床に座り込む美樹
 
雅治「冷蔵庫に食い物も飲み物もある、出て行きたいなら、勝手にどうぞ…」
 
そう言って、俺は立ち去った
 
もうひと仕事あるんだよな 
…自殺とか、やめてくれよ…後が面倒だから…
 
 
 
翌日 
兄貴が所有してた別宅を
俺の会社で安く買い取った 
リフォームして、売りに出すんだ
 
その手配を部下に指示した 
その足で兄貴の元へ
 
 
 
佳祐「雅治か、どうだ?」 
雅治「大丈夫…無事終わったよ…
念の為、もう少し張りついてるつもりだけどね…」
 
佳祐「そうか、雅治、いい手際だ、」
「頼りになるな」
 
御満悦の兄貴だった
 
 

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫