《MUMEI》

「ほら、入れよ──せっかく来たんだし。な?」

「ぃゃ、別にあたし、話とかある訳じゃ‥、ってちょっと!?」

「いいからいいから」

先生は、

あたしの背中を押して──

生徒指導室に連れ込んだ。

「さ、て、っと──。何か飲むか?」

そう言いながら、

先生はポットのお湯が沸いてるのを確かめて、

「ココアとコーヒー、どっちが好きだ?」

「ココア。コーヒーは嫌いって前から言ってるじゃん」

「ははっ、そうだったな──悪い悪い」

「先生、年なんじゃないの?」

「おいおい、俺25だぞ? まだまだ若いんだからさ」

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