《MUMEI》 「ぃゃ‥普通に分かるっしょ、あの反応見たら」 「ははっ、それはそうだな」 笑いながら、 先生はもう一口、 コーヒーを啜る。 「──それでだ」 「?」 「さぁて、そろそろ訊かせてもらうとするかな? 悩みって奴を」 「はッ!?」 だからあたし、 話せないんだってば。 「な‥悩みなんかないですっ」 「でも、ここ来たって事は──何か話したい事あるんだろ?」 「ないですっ」 「‥‥‥?」 「ご馳走さまっ。あたしバス時間あるんでそろそろ帰ります」 「待った」 「ぇ?」 「ゆっくりしていけばどうだ? バス時間って言ったけど──5時まで突っ立ってるのも大変だろ?」 「大変じゃないです」 「そうかぁ?」 先生は、 悪戯っぽく笑った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |