《MUMEI》

「──よしっ♪」

プレゼントは買えましたし、後は──当日に須藤家に行くだけです。

胡桃ちゃん──楽しみにしてて下さいね。

「?」

電話です。

「はい、芳井です──」

《へー、まだ起きてたのな》

「!?」

な‥な‥何で林檎君が電話なんか‥?

《オイ、返事位しろよ》

「ハイっ!!」

《ったく‥》

「ぁ‥あのっ」

「ぁ‥?」

「何で電話番号知って‥」

《バーカ》

「なッ」

《クルミがかけたろ、この前》

「ぁ‥、ハイ」

林檎君が、風邪を引いて──。

私は胡桃ちゃんに呼ばれて、須藤家に初めてお邪魔したんでした。

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