《MUMEI》

《つーか、名簿回ってるし》

「ぁ、そうでしたね。───」

《ぁ?》

「──私──」

あの夜は、何だか凄く嬉しかったんです。

林檎君が、すぐ側にいて。

色々とお世話してあげられたのが、凄く嬉しかったんです。

《ん‥何だよ黙って》

「ぃ、いえ何でも‥」

ないです‥。

「それより林檎君──」

《‥ん》

「えっと‥、何のご用ですか?」

《───────》

「林檎君?」

《何となく》

「ぇ‥」

やっぱり、そうきましたか──‥。

でも、林檎君からかけてきてくれるなんて嬉しいです。

せっかくですし──少し、お話ししましょうか。

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