《MUMEI》

「濡れるとダメなんですかね‥?」

「うん、そうみたい。あたし説明書見ないいからさ──」

「‥ぁ」

「どしたのミオ姉?」

「ぃ、ぃぇ何でも‥」

というか、早く決めなきゃですよね──。

でも、やっぱり迷います。

特に機能付きの物がいいって訳じゃないんですが──。

「ぁ、あのっ、胡桃ちゃん」

「ん?」

「林檎君のケータイって、どんなのか教えてもらえますか‥?」

「兄貴のケータイ? うん。ちょっと待ってね、確か──‥ぁ、あった。これこれ」

「これですかぁ──」

「ミオ姉もおそろにする?」

「ぇ」

「兄貴、喜ぶかも」

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