《MUMEI》
明暗分かれる朝
「田中君、朝だよ」

「ん〜…」


(まだ、眠い…)


「志穂が作った朝食、冷めないうちに食べないヤツは、後が怖いよ」


怖いよ、怖いよ、怖いよ…


「! おはようございます」

「おはよう、昨日はごめんね」


慌てて起きると


そこには、爽やかな笑顔の屋代さんがいた。


(嘘だろ)


現在時刻、六時半。


睡眠時間三時間弱で屋代さんは復活していた。


ちなみに、何故『弱』かというと


目の前にいる屋代さんはシャワーを浴びたばかりらしく、まだ髪が濡れていたからだった。


それから、俺は慌てて支度をして、屋代さんと一緒に昨日パーティーがあったリビングに下りて行った。


どうやら、朝食は起きた人から順々にとっているらしい。


そこには、既に朝食を食べている屋代さん以外の大人組と


柊と希先輩と志貴がいた。


「ギリギリセーフね」


(よ、良かった…)


果穂さんの言葉に、俺と屋代さんは顔を見合わせて笑った。


その後


アウトになった厳・頼・祐の三人は


朝食の片付け


別荘の草むしり


リビングの掃除


を、それぞれ行っていた。

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