《MUMEI》

「今でも‥好き?」

「ぇ?」

「だから、そ・の・子・の・事」

「ん‥、ん‥?」

「何で迷うの?」

「ぃゃ、だって今は──」

「今は‥?」

「今は──‥」

先生は机に頬杖を突いたまま、

黙り込んだ。

「先、生‥?」

あたし、

何かヤバい事訊いちゃったりした‥?

「ご‥ごめん、あたし何か──」

「ん、何で佐原が謝るんだ?」

「ぇ、だって先生ヘコんでるじゃん」

「ぃゃ、そうでもないぞ?」

「じゃあ、何で急に黙ったの?」

「ん、それは‥」

「それは‥?」

「今は、別に好きな奴がいるしな、って──」

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