《MUMEI》

真樹が追い出されるように帰って行った
 
俺の筋書きでは、美樹も実家に帰り、
無事解決だったんだけどなぁ…
 
 
 
深夜まで、美樹を観察してた
 
膝を抱え、ぼーっとテレビを見てるようだ
 
 
行ってみるか…
 
13階に上がり、鍵のかかってないオフィスに入る
 
美樹、視線を変えず、テレビを見つめてる
 
雅治「まだ居たのか?」
 
美樹「…」
 
返事もない
 
上着を脱ぎ、冷蔵庫から缶コーヒーを取り出した
 
冷蔵庫の中身は変わってない、飲まず食わずか…
 
美樹「待ってたのよ…」
 
唐突に美樹が話し掛けてきた
 
雅治「俺をか?」
 
美樹「どうして、こんな事をするの?」
 
雅治「ん?、意味がわからないんだが」
 
美樹「やり方が強引でしょ…何か訳があるはずよ…」 
雅治「あっても、俺が話すと思うかい?」
 
美樹「…なら、佳祐の婚約者に合って、洗い浚いお話ししてくるだけよ…」
 
!…知ってるのか?…
 
美樹と目が合った
俺の顔色をうかがってるようだ…
 
美樹「私に勝ち目は無い……それは理解してる…」
「けど…嫌がらせぐらい出来るわよ!」
 
雅治「で?…」
 
美樹「他に、理由なんかないもんね…」
「子供が邪魔な……」
 
俺はタバコに火を漬けた
 
美樹「貴方たちには、お金も力もある…」
「なのに、犯罪おかすリスクしょってまで、強引なやり方…」
「急いでた理由がある…」「図星でしょ…」
 
バカではないようだな
 
美樹「法的に、何も出来なくても、貴方たちに嫌がらせする事は出来るのよ」
 
雅治「なるほどね…それで?」
 
美樹「長谷川開発との、裏取引と、急な縁談…」
「無関係とは言わさないわよ!」
 
!…どこまで知ってるんだ…こいつは…
 
厄介な事になるぞ…
 
美樹「あら、顔色が変わったわね」
 
雅治「…」
 
美樹「以前から、調べてたのよ」
 
「色々知ってるわよ」
 
「佳祐が人を殺した事もね…」
 
雅治「…」
 
美樹「自殺だったのは知ってるわ…けど…世間や、婚約者はどう思うかしらね…」
「散々もてあそんで…変態行為しといて…」 
「飽きたらポイ捨て…」
「印象悪いわよねぇ」 
 
目に力がある…
ハッタリじゃない…
 
雅治「それが、事実だったとして…俺に話したのはまずくないか?」
 
タバコをもみ消しながら、美樹を見て言った
 
美樹「あら?…私を殺すのかしら?」
 
雅治「……」
 
美樹「案外、あの娘も、自殺に見せ掛けて……だったりしてね」
 
雅治「…」
 
こいつ……何を企んでるんだ…

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