《MUMEI》

雅治「悪い夢でも見たのかい?」
 
美樹「…そう…夢で済ますつもりなんだ…」
 
雅治「気違い扱いされるだけだぜ」
 
美樹「あの娘と私と佳祐でプレーしたことあるのよ…」
「あの娘の事知ってるわよ…」
「未成年ですもんね、世間は面白がるわね」
 
「愛ちゃんって言ったわね…たしか、高崎の…」
 
雅治「与太話はもういい!」
 
美樹「もう少し付き合ってよ…」
 
雅治「夢物語聞くのはご免だな…」
 
美樹「とぼけるのは構わないわよ…認めるとは思ってないから」
 
「私だって佳祐に殺されるかもしれないって思えば、事前に何かするわよ…」
 
「……何しろ、自分の父親まで…手に掛ける人ですもんね」
 
!…親父を?…
 
美樹「散々脅されたからね…」
「オモチャにされながら…」
 
親父を?何の事だ? 
 
美樹「貴方たちが悪魔なら、私も悪魔になるまでよ」 
「約束は守ってもらうわよ!」
 
雅治「約束?、なんの事だ?」
 
美樹「とぼけないで!」
 
雅治「佳祐と何か約束したのか?」
 
美樹「毎月面倒見るって言ったじゃない!」
「なのに、なによ、こんな端金ですまそうっての!」 
「飽きたからって、簡単に捨てようったって、そうはいかないわよ!」
 
「全部ぶちまけてやる!」 
雅治「なるほどね…」
 
美樹「…睨んだって恐くないわよ…」
「私が死んだら、公表される手筈になってるんだから」
 
ふん…あながち嘘じゃなさそうだな…
 
それにしても、佳祐…
ぬるい奴だ…
 
女癖悪い上に、食い散らかすから、こうなるんだ…
 
まぁ、そこから崩せるかな…奴を…
 
美樹「困ったようね…」
「お兄様が、そんな事になったら、貴方も困るもんねぇ」
 
勝ち誇った顔の美樹だった 
雅治「俺はかまわないよ、好きにしな」
 
美樹「なに強がり言ってんの?」
 
雅治「佳祐が潰れたら、俺が後を継げばいいだけだ」
「ぶちまけていいよ」
 
美樹「えっ…」
 
俺は冷蔵庫から、新しい缶コーヒーを出した
 
雅治「お前も飲むか?」
 
美樹の目の前に缶コーヒーを置いた
 
タバコに火を漬け
 
雅治「毒なんか入ってないよ」
 
「お前が死のうが、佳祐を困らせようが、俺には関係ない」
「受けた依頼はこなしたからな」
 
美樹「…な、なんで…ホントにヤルわよ!!」
 
雅治「ご自由に……」
 
愕然としてる、美樹だった 
 
時期尚早だが、佳祐を叩くなら今か?
 
親父に手をかけたってのはなんだ…
 
美樹の出方次第では、一気に便乗するのも選択肢のひとつだが…
 
……
 
もっと情報がほしいな…  
美樹「ねぇ…」

テレビを見ながら考え事をしてた俺に、美樹が話しかけてきた 
 
美樹「佳祐の手下じゃないの?…貴方は…」
 

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