《MUMEI》 「こんな問題、よくとけるよね。亜柚乃ってば、天才?」 「っっっえ!?!」 亜柚乃は、ひどく驚いて、大声をあげる。 驚いたのは、こっちだ。そんなに、悲鳴をあげなくても。 ・・・あれ? 「びっくりしたぁ。何?」 必至で取り繕う、亜柚乃の顔が。 一瞬。ほんの一瞬だけ。 怯えるように、歪んだ気がする。 「・・・由良・・・?」 首をかしげる亜柚乃は、とても可愛いのに。 何かあったんだろうか。 心配だ。だって、亜柚乃が何か悩んでるなら。 何かに、怯えてるなら。 あたしが、守ってあげなくちゃ。 あたしは、亜柚乃の親友だから。 前へ |次へ |
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