《MUMEI》 「やっと見付けた‥」 あたしが呟いてから数秒経ってから、 「ん‥、佐原?」 逆光で良く見えないみたいで、 目を細めながら── 先生は言った。 「どうしたんだ? もう昼終わっ──」 「てないです」 「じゃあ何でだ?」 「先生がいないからずーーーっと捜してたんだよ!?」 「ぇ、俺をか?」 キョトンとして、 目を丸くした先生。 ほんとに、 何も知らないみたいで。 でも何だか、 ちょっぴり嬉しそうに笑った。 「佐原は優しいんだなぁ」 軟らかい、 声。 伸びてきた手が、 あたしの頭に触れた。 前へ |次へ |
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