《MUMEI》 「佐原──おい、大丈夫か?」 「ぇ、ぁ‥ハイ、たぶん‥」 いや、 たぶん大丈夫じゃない‥。 「っと──‥昼まだなんだろ? 弁当ないんなら俺ので良ければ‥」 「ぃ‥いい、いらないから」 そう、 言ったんだけど。 「遠慮すんなって、ほら」 「‥‥‥‥‥‥‥」 手渡された、 チョココロネ。 まだ、 手は付けられてない。 「ありがと‥」 「取りあえず食べとけよ。なっ」 「先生は何食べたの‥?」 「俺は──‥」 数秒間の、 沈黙。 「‥まぁ、一応──」 「ハイ、これ半分」 前へ |次へ |
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