《MUMEI》
【1】夢と絶望と始まりと【まとめ】
《物語》
 お話はルグール国という女王国。お金の計算が出来ないおバカな旅人セリアは、無銭飲食をやらかして大ピンチ。そこを救ったのは僅か12才の少女、ユーリ。彼女の正体は、この世界で別格の扱いを受け、王族からも重宝されるという「夢見師」だった。
 ユーリの家に1ヶ月程滞在したある日、姿を消したユーリを探して海岸に行く。ユーリは泣いていた。自分の故郷に悪魔が来る、と…。
 泣きじゃくるユーリを諭し、彼女の予言を回避すべく、首都・セントル・シアへの旅を提案した。







《人物》

【セリア】
セリア・ル・ミラ。17才。出身は不明。明るいが頭のネジが外れている天然。特に強い訳では無いが、一通りの武器は扱える。ある使命の為旅をしている。

【ユーリ】
ユーリ・サ・コルダ。12才。ルグール、カコナ出身。生まれながらの「夢見師」。沈着冷静で、大人顔負けの話術を得意とする。小憎らしいが、彼女の辛い現実を考えるととても文句は言えない。また、小憎らしい中にも優しさがかいま見える。

【剴】
邑村 剴。18才。ジャポナ、ユグナン列島出身。大男で大刀を持つ。酒好き。ツツモタセにあったところをユーリに助けてもらう。それ以降はユーリの護衛兼警察見習いとしてコルダ家で働く。

【蓮華】
李 蓮華。15才。チャイン、東龍口出身。真紅の髪に瞳。真っ白い肌。やんちゃな男の子。カコナで行き倒れていたところ、ユーリに助けられる。それ以降はユーリの護衛兼警察見習いとしてコルダ家で働く。

【マルドル】
マルドル・サ・コルダ。ユーリの父。妻は既に他界。警察官。

【ケジナン】
ケジナン・パルークス。28才。ルグール、セントア・シア出身。職はホテル・レストラン経営者。パルークス公爵家の三男。金と女に汚いらしい。





《用語》

【ルグール国】
 大陸の1番西にある女王国。古い街並みを残した、美しい街がたくさんある。

【カ・サ・カコナ】
輝く砂の街を意味する。
白浜に蒼い海は、ルグール国でも1、2を争う景勝地である。また街並も美しい。
 特に浜辺の夕暮れは神々しい。
 しかしある一定の時期になると風が強く寒いと白浜には誰もいなくなる。

【占い師】
 神からの啓示や警告を受け取る役目として、この世界では占い師はとても優遇され、政治でもその力は重宝されている。



【サイコシンクロ】
 人の思考を読み取る人や能力を指す。

【タロット】
 この世界では自分の能力の属性を表す身分証明書。政府の魔学技術省から、旅に出たり、職につく時に発行される。最初は何も描かれていないが、持った瞬間にその人の個人情報と、属性−0〜21番の番号と、それに付随する絵柄が本人として描き出される。とりあえず、不思議なカード。
 ただし、神に選ばれた者は、生まれた時に自然とそのタロットを持っているという。
 ユーリの持つ「10番:フォーチュナー(運命の輪)」はタロットの中でも特別視されている。


【夢見師】
 見た夢が現実となるのが夢見師。その為「神に1番近い預言者」として占い師の中でもトップクラスの扱いを受ける。(ただし、田舎では迫害される事も多い。)

 その夢見師の中でも服装など詳細まで覚えている者はごく僅かである。起きた時に詳細まで覚えている有能な夢見は、占い師として成長する前に発狂してしまう事が多い為である。
 原因は、残酷な夢も詳細を見てしまうからという説もあるが、1番有力視されるのは夢の中でのサイコシンクロともいわれる。睡眠時に、現実になる夢を見て、サイコシンクロという自分の精神を擦り減らす能力を使用してしまう事によって自我が崩壊する・・・という説。

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