《MUMEI》

林檎君が作ってくれた、フルーツポンチ。

私と胡桃ちゃんが、美味しい──そう言う度に、

「うっせー。黙って食え」

ホッペを赤くして、林檎君は不満げに言い返してきます。

でもそれは、不満だからじゃなくて──ほんとは嬉しいって事なんじゃないか、そう思うんです。

だって──嬉しそうに見えますもん。

照れてる、っていう方が大きいかもですが──。

「‥ぁ‥? 見んなよバカヤロウ‥」

「ふぁぇ‥?」

「食いながら喋んな」

「〜〜〜〜〜〜‥」

林檎君──照れ屋さんなんですからぁ‥。

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