《MUMEI》

赤高と秀皇大附属高校。


両チームのアップが終わり、


試合が始まろうとしていた。


ベンチに入るクロは、


ギリギリまで作戦を伝えていた。


「OK。
アップを見た感じ疲れは残ってないみたいだね。」


「うっす。」


「よし。


じゃあ今日はこれで最後だし、


ガンガン飛ばして行こう。」


「はい!!」


「スタートは、


村木、


関谷、


峰田、


椎名、


ユキヒロ、


日高、


そして沖ね。」


「はい!!」


「基本的にセットプレーは状況を見て椎名が判断。


でも行けると思ったら両45がも自由に打っていいよ。」


「はい!!」


「速攻は決めてくれないと困るっていうのが本音だけど、


外した時に気にして戻りを遅らせるのはやめて。


あれが1番でかい。


お前らそういう癖は直さないとダメだよ。」


「はい!!」


「それと、
これが1番大事。」


「…なんすか?」








「ルーズボールを追うこと。」


「…そんなの普通じゃないすか?」


「普通?
…普通って何?」


「え?


いや…


その…


やって当たり前って言うか…」


「はぁ…


そういう意識が1番危ないんだよ。


人間当たり前だと思ってることには手を抜く癖があるからね。


前にも言ったけど…


生まれたら死ぬ。


それ以外に当たり前のことなんてないんだよ。


わかった?」


「…すいません。」


「よし。


OK。


じゃあ円陣組もう。」

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