《MUMEI》
「とりあえず、あいつの情報だな。ツヅ、調べてあんだろ?」
「もちろん!!まかせてよっ!!」
明良の問いかけに、都槻は自分の胸をポンッと叩く。
都槻は自分の鞄からモバイルを取り出し、立ち上げた。
ウイィン―と画面が浮かび上がると、都槻の表情が変わった。
「久我慶介、3−E組。
身長169CM、体重65Kg。女好きで有名。女性がらみのイザコザは中学、高校合わせて20件以上。しかしどれもがもみ消されていて、被害にあった女性は皆泣き寝入り。それでも闘ってやろうとした数人は、久我の取り巻きに陰湿ないじめで不登校。
あたしが持ってるのはコレぐらいかなっ。こいつ、ほんっと最低だよねっ!!!」
パタンッと勢いよくモバイルを閉じる。
「必要ならもっと深いところまで調べてみるけどっ。どうする?」
「被害にあった女の子達の名前とか調べられか?できるだけ詳しく調べてくれ」
「わかった!!できるだけの情報を調べてみるよっ」
あぁ頼む、と明良は都槻に頷いた。
「それで?具体的にどうするん?」
良次は明良に尋ねた。
「うーん・・・。オレてきにはガツンッと1発ぶっ飛ばしてやりたいんだけだどなぁ」
「アキちゃんがガツンッなんてやったら、相手死んじゃうよぅ・・・」
真面目な顔で答える明良に、千晴子は苦笑いをした。
「紅茶、入ったよ〜」
珠美はトレイからテーブルにそっと配った。
するとカップからオレンジペコーの香りが広がった。
「うわ〜いい香りだねぇ。マミちゃん紅茶入れるの上手〜」
千晴子は目を閉じてカップを鼻に近づけた。
「ツヅが入れるもんと同じとは思えへんなぁ〜!!」
「うるさいっ!!っていうかマミ、コレなぁにっ?」
良次に睨みをきかせながら、都槻はソーサーにのっているものをちょこん、と指差した。
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