《MUMEI》

歌が始まって──みんながピアノに合わせて歌い出す。

兄貴以外は、だけどね。

それが終わると。

「ふーっ」

あたしはロウソクの火を吹き消した。

その瞬間、歓声が上がる。

「さ、じゃあケーキ切るわね」

母さんは、ケーキにナイフを入れた。

それを見つめる、兄貴達。

「はい、胡桃の分」

「ありがと」

差し出された皿を受け取って、自分の前に置く。

去年は、チョコケーキだった。

あたしは、チョコが好き。

でも今年は、生クリームのケーキが食べたかったから──母さんに頼んで作ってもらったんだ。

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