《MUMEI》

「ん〜〜〜っ、美味しいです、芭子さんのケーキ♪」

ミオ姉は、一口ケーキを食べて、幸せそうに言った。

兄貴も、気に入ったみたいでパクパク食べてる。

「あれ、胡桃ちゃん食べないんですか?」

「ぁ‥ううん」

自分がまだ食べてなかったのを思い出して、フワフワのスポンジと生クリームを口に運ぶ。

「うん、美味しー♪」

「ふふっ、良かった──」

母さんは、嬉しそうに笑った。

そんな母さんを見た父さんも、嬉しそうにしてる。

「──ぁ、そうでしたっ」

突然、ミオ姉が切り出した。

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