《MUMEI》

「気に‥入ってもらえましたか?」

「うんっ、めちゃめちゃ可愛いよこれ♪」

「胡桃、着替えてみたら?」

「──ぇ」

「そうだな、せっかくだし。着替えておいで」

母さんと父さんに言われて、あたしは一旦部屋に向かった。

「───────」

部屋の鏡の前で、あたしは自分を見つめてた。

サイズはピッタリ。

膨らんだ半袖に、丸襟。

前はボタン開きになってて、もう少し涼しくなったらコート代わりにもなりそうだ。

丈は、ちょっと短い。

こんな服、着た事なかったから──何か、ちょっぴりハズいかも。

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