《MUMEI》

「ねぇ兄貴」

「ん‥」

「ミオ姉、兄貴と付き合ってて良かった──かな」

「さぁな」

「兄貴は?」

「ぇ」

「兄貴はミオ姉と付き合って──」

「何でんな事訊くんだよ」

「だってあたし妹だもん」

「いちいち心配されたかねぇ」

「心配なんかしてないよ」

気になるだけだ。

兄貴は、ミオ姉を好きになってから──ほんとに毎日楽しそうだから。

兄貴が楽しそうにしてると、あたしも楽しいし、兄貴が辛そうだと、あたしも辛い。

小さい頃はよく、あたしと兄貴は色々言われたりしてた。

今でもそれは、よく覚えてる。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫