《MUMEI》

「心配かけさせんなよ、あー、焦ったあ。」
静流はベッドに座っている樹の足の上に乗っかった。

「過労ですって。
今日すぐ退院できるそうよ。
樹、貴方バイトどちらか辞めなさい。」
母、澪が樹をじっと見つめていた。
「樹の高校に静流は転入手続き済んだし。私も前よりは稼げるようになったから。長男だからって甘えてばかりいられないしね?」

「田畑さんとラヴれないしね?……イダダダ!」
静流は直ぐさま樹にヘッドロックをかけられた。

「まあ、ちょっと心配なんだけどね。アンタの生徒立て続けに暴行されたらしいじゃない。この辺自体が、物騒な訳だけど。」
澪が長く息を吐いた。

「俺は大丈夫、恨まれるようなことしてないしー。
兄貴のが心配。
八人も襲われてるんだよ!事件だね。事件。」




「――――――八人?」
樹は生物準備室の映像がフラッシュバックした。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫