《MUMEI》

「どーした、クルミ」

「‥ぇ」

「何辛気臭ぇツラしてんだよ」

「ぅ‥うるさいなっ、あたしはちょっと思い出してたんだ」

「‥何を」

「──小学生位の時‥」

「もういー加減忘れろ」

「そんな事言ったって‥」

簡単になんか、忘れられない。

忘れちゃ、いけない気がする。

思い出したくなんかないけど‥。

「‥オマエ」

「ん」

「夜に脚なんか出して歩いてて襲われても知らねーぞ」

「兄貴に守ってもらうからいいもんね」

「は‥?」

「あたし、兄貴の事信用してるから」

「‥何だ、それ。バカくせぇ」

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