《MUMEI》 「‥あの、先生‥?」 「──佐原」 「はいっ‥」 何‥? ほんとに先生なの‥? 何か‥ 別人みたいだよ‥? 「‥‥‥‥‥‥‥」 「先‥生‥?」 「これ」 「ぇ?」 渡された、 封筒。 真っ白な、 眩しい位にまっさらな色の、 手のひらサイズの封筒。 「何? 手紙‥?」 「読んでくれるか、後で──家帰ってから」 「分か、った‥」 小さな封筒を、 ブレザーのポケットに入れた。 何だろ‥ あたし今、 すっごく安心してる気がする。 先生が、 あたしを少しでも気にかけてくれてるって事が、 分かったから──。 前へ |次へ |
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