《MUMEI》

あたし達は今、芳井家に来てる。

「ありがとう、林檎君──胡桃ちゃん」

「いえいえ♪」

「テメーは付いて来ただけだろ」

「うるさいなぁ‥」

「ぁ、そうだ。ちょっと待っててね」

あたし達にそう言って下に降りて言ったのは、ミオ姉のお母さん──文芽さん。

「はい、お待たせ〜」

「ゎ‥っ」

ココアだ。

「ありがとうございます♪ ほら、兄貴もちゃんとお礼言いな?」

「‥どーも」

「ほんとにごめんね──未桜が迷惑かけちゃって。あの子極端にそういうの弱くって──」

「?」

「雛祭の時、甘酒でダウンしちゃう位だから──」

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