《MUMEI》

千花様の生き甲斐が千秋のように、

俺には千花様が必要だ。

何かを傷付ける度に千花様は自分にストイックになってゆく。
例えば千秋から全て奪い去ろうと覚悟をするとき、その傷を自分も受けようと孤独になる。
傷を与える分、傷付く。

痛みを与える分、千花様は孤独になり、存在を高尚にしてゆく。
俺はそんな千花様だから、彼女の痛みも傷も好きだ。


「……千花様、俺は千花様の味方で……下僕でありたいです。世界中の人間が千秋に従属しても、俺は千花様に付いていきます……」

どんな形でもいい、この方の為に存在していたい。


「綺麗事は要らない。
私は私の決めた道を歩むだけ。」

千花様……会ったあの日からずっと変わらずに美しい人。
俺は貴女に変わらない忠誠という愛を誓います。

だから、あんな悪ふざけばかりの鬼(千秋)なんか見ないで下さい……千秋は、貴女のような高貴な方には不釣り合いです。


「そして……私は気付いたの。私にあって明石珠緒に無いもので千秋を振り向かせばいいと……」

千花様……何か思い付いたらしい。

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