《MUMEI》
長谷川開発
兄、佳祐と、長谷川開発の役員達と
 
料亭で、顔合せした
 
今後だが役割分担を…
 
要するに…俺はお払い箱って訳か…
 
長谷川開発、専務、取締役長谷川 浩一
 
生意気な口調で淡々と、好き放題、語ってた…
 
佳祐「悪く思うなよ、雅治…」 
「これも、流れだ…」
 
雅治「わかった…異論は無い…」
 
長谷川「利口な、弟さんで、助かりますよ」
 
言い方が、気に障る…
 
佳祐「個人的な、ややこしい事は、今まで通り、雅治に頼むがな…」
 
長谷川「渡し吃では、不服でしょうか…」
 
佳祐「実績を上げ、俺の信用を得れば、考えてやる」 
長谷川の顔色が曇る…
 
何か、あるな…
 
カマかけてみるか
 
雅治「兄貴」
 
佳祐「ん?、なんだ」
 
雅治「長谷川も、兄貴の役に立ちたいんだよ」
 
呼び捨てにした
 
雅治「金も、欲しいだろうし…」
「どうだろう、会社の備品調達も、この、長谷川を使ってやったら…」
 
佳祐「お前の旨みが減り過ぎるだろ…」
 
雅治「今まで、散々、肥らせてもらったし…」
「俺も、今季は、年商100億に届く…」
 
長谷川の顔色が変わった
 
実際は、年商50億ぐらいだが、ハッタリをかました
 
雅治「兄貴の会社の株だって10%近く持ってるからね…配当金だけでも旨味はあるよ」
 
笑顔で言った
 
雅治「もっと、長谷川の顔、立ててやりなよ」
 
佳祐「そうか、佳祐が良ければ、そうするか」
「長谷川、直ぐに準備にかかれ」
 
長谷川「はい…」
 
 
料亭を出るとき、兄、佳祐を見送った
 
お抱え運転手付きの
ロールスロイス
 
佳祐「雅治、送ろうか?」 
雅治「車、待たせてるから大丈夫だよ」
 
佳祐「そうか、たまには家に、顔を出せよ」
 
窓が閉められると、
ロールスロイスは、ゆっくり走り出した
 
 
長谷川「では、我々も、これで…」
 
雅治「わきまえろ!」
 
でかい声で、長谷川を怒鳴った
 
大勢の人が見てる前で
 
長谷川「!…」
 
雅治「俺より前に、店を出るだと……」
「無礼な輩だな…」
 
睨みつけた!
 
連れの若い奴が、かっとなって、俺の胸ぐらを掴んだ 
長谷川「止めろ!」
 
一喝されて、若い奴が身を引いた
 
雅治「教育も出来てないのか…」
 
長谷川「…」
 
雅治「俺の胸ぐらつかんだんだ…けじめ、つけろ」
「それまで、俺の前に面出すな!」
 
長谷川に言い放ったとき、俺の運転手が来た
 
兄貴と違って俺はハイヤーを使う
派手な車はマークされやすいからだ
 
センチェリーのハイヤー
運転手がドアを開き、
俺は乗り込んだ
 
丁重にドアが閉められ、
運転手が運転席へ…
 
長谷川達に目をくれる事なく、料亭から離れた

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