《MUMEI》

「ふぅ‥」

「美味しかったですね〜焼芋♪」

「リンゴ」

「ぇ?」

「リンゴくれ」

「ぁ、ハ‥ハイっ」

お弁当箱から兎のリンゴを、私はドキドキしながら林檎君に差し出しました。

「どっ‥どうぞ──」

「何そんなに緊張してんだよ」

「ぇ、だって何か──久し振りなんですもん」

「だからって別に──‥、ぁ〜も〜何でもいーから寄越せよほらっ」

ちょっと乱暴に、ひったくるような感じで──林檎君は兎のリンゴを私の手から取ると、それを一気に口に入れてしまいました。

「‥まぁまぁだな」

「美味しいですか?」

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