《MUMEI》 「ぇ‥」 勘‥? 「ん?」 「ぁ、ぃぇ何でも‥」 何か恥ずかしくなって、 俯いた。 「ぁ‥詠子さんはどこかにお出かけしてたんですか?」 「ぁぁ、今月から月に2回──俳句同好会の集まりに行っていてね」 「俳句の──」 先生が、 そんな事を言ってたのを思い出す。 「そうだ──千代子ちゃん」 「はい?」 「詩郎から何か聞いているかい‥?」 「ぇ、何か‥って──」 「ぁぁ、ぃゃ──大した事じゃないんだけどね」 そう呟いた詠子さんは、 何だか元気がないみたいに見えた。 前へ |次へ |
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