《MUMEI》
青鬼の涙
『オイラの面倒を見てくれてるオジサン夫婦…でもオイラが役立たずだから…しょうがないんだ。』


『ボウズ…親は居らぬのか?』


『うん、おっ母は産まれて直ぐ死んだ。
お父は先の戦に駆り出されて〜帰って来なかった。姉やは嫁に行った先で死んだ。

皆〜オイラを残してあの世に行ったんだ…』

そう言って耕作は青鬼の顔を見た。


『あっ…青鬼?どーしたんだ?腹でも痛ぇのか?』


青鬼は…金の眼から涙を流していた。


『腹など…痛うないわ…』
声を詰まらせて答えた。


『じゃ腹減ったのか?そうじゃ〜オイラの干し芋をやろう!

何かの時に取って置いた非常食じゃ…

もう〜オイラには必要ないからの!

あの世に行くんじゃから…』

そう言って帯の間から干し芋を取り出し…青鬼へと差し出した。

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