《MUMEI》 樹はああいう松岡達のノリにはいまいち馴染めない。耐え切れずこっそり抜け出してしまった。 「―――ごめんなさい。」 樹は肩がぶつかった女性に謝る。 すらりとした長身に黒い腰近くまで伸びた髪に黒い服がよく似合っている。 彼女の両手に抱えた花が一本落ちてしまう。 拾って渡そうとするが、受け取らずに彼女は片手に持っていた鋏で花の頭を切り、立ち去って行った。 制止画像を見るようにゆっくり、 白い花びらがくるくる廻った。 花弁が床に着く 首が落ちる様を連想させる。 前へ |次へ |
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