《MUMEI》

「羊のヌイグルミです♪」

「ヒツジ‥?」

「ハイ♪」

「何でヒツジ?」

「私、牡羊座なんです。だから──」

「自分の分身──みたいな?」

「ハイっ♪」

林檎君──私がいるから何もいらない、って言ってましたけど、でもやっぱり何かあげたいって思って。

そしたら、ひらめいたんです。

羊のヌイグルミなら、喜んでもらえるかも──って。

でも‥。

「林檎君──やっぱりヌイグルミって興味ないですかね‥」

「そんな事ないよ?」

「ぇ?」

「兄貴、意外とそういうの好きなんだ」

「そうなんですか?」

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