《MUMEI》

【やっぱり俺、向いてないんじゃないか、って‥。】

「ぇ‥?」

向いてない‥?

何で?

‥何でそう思うの?

何回も、

心の中で呟きながら‥

文字を目で追っていく。

【もしかしたら、何とかなるかも、とか思ったりしたんだけどな。

 でもまだ俺は半人前で、お前や他の生徒達にちゃんと教えてやれない。

 だから‥一度教壇を降りようと思う。

 でも、お前が卒業するまでには戻るから。

 その時はまた、一緒に弁当食べたりしような。

       春日井】

「‥何‥それ‥」

意味分かんないよ‥。

「‥?」

追伸、

そう書かれた文字の下には、

もう2〜3行メッセージが綴られてた。

【ずっと‥伝えたかった事がある。】

「伝えたかった‥事‥?」

【大好きだ。

 チョコレートシロップより、ずっと。】

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