《MUMEI》

「──っ‥」

嬉しいのか、

悲しいのか、

分かんない。

でも、

1つだけ分かった。

先生は、

あたしを好きでいてくれてる、

って事‥。

「すいませんっ、降りますっ!」

無理矢理バスを止めて、

来た方向とは反対の方に走った。

‥学校に戻る為に。

まだ先生は、

帰ってないはず。

だから‥

会いにいかなきゃ。

辞めちゃ駄目だ、

って伝えなきゃ。

先生は立派な先生なんだよ、

って‥

そう伝えてあげなきゃ。

‥全速力で走って、

教務室の戸を、

外れるんじゃないかって位勢い良く開いた。

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