《MUMEI》

先生は誰にも相談出来ないで‥

独りで抱え込んで。

それなのにあたしは、

全然気付きもしないで‥。

「ごめん‥」

目の奥が、

熱い。

何かが溢れてくる。

それは零れて、

教務室の床に、

ぽたり、

ぽたり‥

と落ちる。

「───────」

「佐原、おい‥泣いてるのか?」

先生が、

あたしの両肩に手を置いて覗き込む。

泣き顔を見られたくなくて、

あたしはしゃがみ込んだ。

何で泣いてるのか、

分かんない。

でも、

たぶん‥

自分が嫌なんだと思う。

辞めようと思ってる=d

そう思うまで先生が追い詰められてた事に、

気付けなかった自分が。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫