《MUMEI》
先生の気持ち
「手紙──読んだんだな‥」

しんみりした顔をして、

先生は困ったみたいに笑う。

「悪い、心配かけたりして──」

「違うよ、そうじゃなくて‥」

「‥?」

「あたしは先生に辞めて欲しくない。まだ先生に教わってない事、沢山あるんだよ‥? なのに‥」

「───────」

「勝手に辞めるとか言わないでよ‥!」

「佐原、俺は‥」

「あたしは! 授業で一生懸命な先生が‥屋上でお弁当食べてる先生が好きなんだよ!? 先生が先生じゃなくなったら意味ないんだから‥!」

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