《MUMEI》

「──ふぅっ‥、後は綿を詰めて‥」

綿‥?

綿なんかありましたっけ‥。

「ぁ」

昔の枕──。

破けてましたよね、確か。

「よい、しょー‥っと」

綿を引っ張り出して、ヌイグルミの中に入れてみました。

後は綿入れ口のとこを縢ればいいんですが‥

「───────」

何だか、恐ろしく眠いんです‥。

ここで寝ちゃう訳には‥。

「むぅぅ‥」

その時。

ケータイから着信音が。

「!?」

開いてみると、林檎君からだと分かりました。

「ハ‥ハイっ、もしもし‥?」

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