《MUMEI》

「先、生‥、放‥っ」

「? ぁ‥、悪い」

あたしが息苦しいのにやっと気付いたみたいで、

先生は腕の力を緩めた。

「はぁ"‥、先生‥馬鹿力なんだから‥」

本気で窒息するかと思った‥。

「だ‥大丈夫か‥?」

「──────‥」

何とか息が普通に吸えるようになってから、

あたしは先生を見上げた。

「ぁ、あの、さ‥今‥」

抱き締めたよね、

あたしの事‥。

「ん、どうした?」

先生は何食わぬ顔で、

あたしの目を見る。

「おい、佐原?」

「‥‥‥ぇ」

何か、

良く分かんないけど。

あたし‥

今かなり上がってる。

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