《MUMEI》

「──佐‥原」

「ぇ」

「俺──もう少し考えてみるな」

「ほんとっ!?」

コクリ、

と頷いて、

先生は笑った。

いつもの、

笑顔だった。

「よし、送ってやるよ」

「ぇ‥‥‥ぇえッ!?」

一瞬、

頭が真っ白になった。

「なっ‥何言ってんですかっ」

「ぃゃ──だってもう暗いし。お前の家、2丁目だろ? 俺の家からそんなに遠くないしな」

勝手に独りで納得して、

先生は頷く。

「そうと決まれば、早速行きますかぁ!」

「ぇぇっ、ちょっ‥先生!?」

何か‥

ヤバいんじゃないの‥?


そういう事って──‥。

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