《MUMEI》

「そういえば、お前さ、チョコレートシロップ嫌い、って言ったけど──」

「ぅ‥」

「考えてみたら、何だろ──」

「ぇ?」

「ぁ、ぃゃ──悪い、何でもない」

「何? 気になるじゃん」

「だから、何でもないって──。それより佐原」

「何‥?」

「今度どっか行くか? 2人で」

「!?」

「行きたい所、あるか?」

「ぇ、なっ‥ちょっと待って」

「ん?」

「何でそんな急に‥」

「だって──お前は俺の彼女‥だろ?」

「かっ‥彼‥女?」

「おう。──だろ?」

先生は得意げに、

ニッコリ笑った。

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