《MUMEI》

「ぁ、いえ──お料理作ったのはお母さんと胡桃ちゃんですから」

そう答えたら、芭子さんはクスッと笑った。

「林檎も未桜ちゃんみたいに──」

「うるせーや」

ガタッ、と椅子から立ち上がって、林檎君は私があげたヒツジのヌイグルミを、ボールみたいにポンポン投げて遊び始めました。

「こら兄貴っ、ミオ姉投げちゃダメっ」

「は‥?」

「それ、ミオ姉の分身なんだからね?」

「は‥? 分身?」

「そうだよっ、ミオ姉牡羊座だからヒツジのヌイグルミ作って兄貴にプレゼントするんだ、って──」

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