《MUMEI》

「ぁー、だからヒツジな」

「気付かなかったの?」

「だってヒツジに見えね‥」

見えねぇ、そう言いかけた林檎君の頭に、胡桃ちゃんの拳骨。

「っっって!!」

「ヒツジだってば」

「テッメー‥後で覚えとけよクルミ‥」

「や〜なこっ・た!」

「はぁ!?」

「ぅああっ、林檎君ぉぉぉ落ち着いて下さいっ」

「ミオ姉もね──」

「ハイっ、すいません‥」

「ぃゃ、そこ別に謝んなくても‥」

「しょーがねーだろ、コイツMなんだから」

「じゃあ兄貴はSだ」

「ぁ、あの──胡桃ちゃん」

「ん、何?」

「ぁ、いぇ‥」

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