《MUMEI》
お土産?
「本当に、いいですから!」

「遠慮しないの」


(遠慮じゃなくて…!)


俺は、会計に行こうとする果穂さんの隣にいた荷物持ちの秀さんから


巨大なイルカのぬいぐるみを取り上げた。


(全く、皆が余計な事言うから…)


ショーを見る為に、大人組と合流した俺達


そこで


子供組は、それぞれの親達に、俺が水族館に初めて来た事を報告してしまったのだ。


ちなみに、親が来ていない厳は、秀さんに


頼は、果穂さんと大志さんに、報告したらしい。


そして、ショー終了後。


興奮状態の俺は


志貴曰く『キラキラした目で』


頼曰く『ものすごく眩しい笑顔で』


果穂さんに、質問され


『イルカ大好き!』


と、答えた。





(それが、何でこんな大事に…)


最後に寄った水族館内の土産屋。


そこで、何故か全員が


俺への、イルカグッズを選んでいた。


(おかしいだろ、俺、来てるのに、土産って…)


そんな俺の気持ちを誰も気付く事はなく


結果的に、俺の手元には、大量のイルカグッズが残った。


問題のぬいぐるみは、一回り小さくなった。

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