《MUMEI》

林檎君のお部屋に、半ば無理矢理連れ込まれてしまった私‥。

「林檎君、あの──‥」

「ぁ?」

「ゎ、私っ、その‥っ」

「何もしねーっつってんだろ」

「───────」

「オイ」

「ハイっ!!」

「こっち来て見てみろよ」

「?」

「来いってば」

「ハイっ、すいません!」

でも何で窓辺に‥?

「ぁ‥」

お月様です──。

「綺麗ですねー♪」

「ったりめーだろ」

「ハイっ、すいません‥」

「なぁ」

「はぃ‥?」

「あんがと、な」

「ぇ」

「『ぇ』じゃねーよっ、あの変なヒツジの礼に決まってんだろーがッ」

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