《MUMEI》
『不器用にしか生きられない拓海、気い使いながら良い兄貴演じてた俺、自分がいつでも確立してた惇……』
『血い繋がってないけど、でも兄弟って関係の、男の拓海に俺が惚れてる事に気づいたのはあいつらが中学生の頃だった、
なんだかな、拓海は変に鋭いとこがあって俺の気持ちに気付きやがった……
でもあいつは、俺の気持ちは惇にあると見事に勘違いした……、
俺は弟である拓海に気付かれるよりは良いと思ってそれはそれでほっておいた、
しかもそれを利用して、露骨に俺は惇にアピった…
でもそれがいけなかった………』
『惇がたまに女連れ込んでやることやってるのは前から知っていた、
知らなかったのは拓海だけ…、
たまたま拓海にばれた時があってさ、あいつ凄い怒りだした、仁の気持ち知っててふざけんなって!
−−−−馬鹿だよあいつは本当に馬鹿、
惇には兄貴とりやがってみたいな勢いなくせに俺には惇と上手くいって欲しいみたいに思っちゃって心ん中がばらばらなんだ、
でもあいつなりの優しさで怒ってんだなって想ったらなんか泣けてきて、俺にも訳わかんねー感情が流れてきて……
気がついたら俺は拓海を無理矢理抱いていた……
いや、わざとだった
惇に失恋したふりして、傷ついたふりして、拓海に俺の全てをぶつけた、
ずっと抱きたいって我慢してたから、あいつをめちゃめちゃにした
…泣きながら堪えてたあいつの顔今でも忘れられない……
俺は……、惇を利用しただけ、惇には弟としか、それ以上の感情はない、
惇は俺にとって大切な弟でそれ以上でも以下でもないんだ』
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