《MUMEI》

あたしは、亜柚乃の親友だから、亜柚乃の恋を応援してる。けど、それと、あたしが若宮を好きかどうかは、別の問題だ。
一通り慌てたあと、亜柚乃は小さくため息をついた。


「ほんと、違うの。・・・ちょっとね・・・。」
「何?悩んでんなら、由良姉さんに言ってみな?」



亜柚乃は、少し戸惑うように、唇をひらく。



「・・変な人、みたの。」「・・・変な人って、オッサン!?何かされたの?」「ちっ、違う違う!!同い年くらいの・・・。」



亜柚乃の瞳が、また不安げに揺れた。



「人というより・・・天使?みたいな・・・。すごい綺麗な人なの。変な・・・異質な物。
でも、何か・・・冷たい感じ。人じゃ、ないみたいに。・・・そう、あの人に、あたし・・・会ったことが・・・。」

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