《MUMEI》

「林檎君」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「リ・ン・ゴ・く〜んっ」

「うっせーッ耳元で騒ぐなっ」

「だって返事してくれないんですもん‥」

「悪ぃかよ」

「悪いです〜っ」

「テメー人の誕生日位静かに出来ねーのか」

「ぅぅ‥すいません‥。──ぁ」

「何だよ」

「林檎君──自分の誕生日どうして知ってるんですか?」

「は?」

「だって林檎君、自分の名前以外は──」

「‥これ」

林檎君が取り出したのは、小さな御守でした。

その布袋から紙を取り出すと、私に見せてくれました。

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