《MUMEI》 なんか……安西って二つも下なくせしてやたら大人だよな……結構、紳士だし……一生懸命だし。 ……いかん。 流されるな。 俺の悪いとこだ。 きっと俺、優しくされたいだけなんだ、甘える相手を探している……でも俺はそんな自分が嫌いだ、甘えたいだけなんて子供と同じだから。 ずっと甘えてなんていられない。 それに気付いたとき、傷付けてしまう……。 とか、一人たらたら歩きながら葛藤してたらもう七時過ぎていた。 あまり遅いと乙矢に怒られてしまう……この間、遅くなった帰り道で鉢合わせたときは凄くネチネチ説教された。 自分だって遅い帰りのくせに……言わないけどさ。 雨天のせいか、いつもより三割増しで暗い。 自然と早足になってしまう……。 ぐっしょりと水溜まりに右足が浸かる不快感、……やってしまった。 電柱に濡れた足を上げる為に、寄り掛かる。 生温い感覚を指を動かして確認した。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |