《MUMEI》

「お邪魔します。」

「和成君いらっしゃい。
二階にいるから、部屋はわかるでしょう?」

「はい、昔遊んだんで。」





当たり障りのないやり取りが終わり音で階段から近付いてくることが分かる。

「こんばんは」
榊和成が作りものの笑顔で入ってきた。

「……ばんわ」
適当にオウム返しをした。
和成を簡単に説明すると近所の幼なじみだ。
最近、生徒会に入り違和感の対象であった眼鏡も定着しつつある。

小学生くらいまでは遊んでた記憶はあるがいつの間にか幼なじみということさえ忘れてた。両極端な存在である。

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